化学流産って何?初期流産との違いとは

精神的な悩み

「もしかしたら妊娠したかも?」と妊娠検査薬で検査してみると陽性だったのに、しばらくすると生理が来てしまった。という経験はあるでしょうか。
ちゃんと検査できていなかったのかな…と思ってしまうかもしれませんが、もしかしたら化学流産かもしれません。
化学流産は比較的多くの女性が経験すると言われていますが、よく聞く流産とどう違うのか、なぜ起こってしまうのか説明していきたいと思います。

化学流産って何?

妊娠検査薬で「陽性」と判定されたにもかかわらず、産婦人科で妊娠が確認されなかったり、その前に生理が始まってしまうことがあります。
その場合に考えられるのが「化学妊娠・化学流産」です。

化学流産とは、「尿中あるいは血液中にヒト絨毛性ゴナドトロピン(hcg)が一時的に検出されたあとで、超音波検査で胎嚢を認める段階には至らず、妊娠が終結してhcgが陰性化する状況」と日本産婦人科医会で定義されています。
つまり、受精卵が子宮内部で一旦着床したもののそこから成長できず、すぐに出てきてしまった状態ということです。

妊娠していれば、妊娠5週には多くの場合で胎嚢が超音波検査で確認できます。
この段階で妊娠検査薬で陽性が出ていても、胎嚢が確認されなければ化学流産の可能性が高いといえます。

胎嚢を確認した後の流産を「臨床的流産」と言います。(初期流産)

化学流産は比較的多くの女性が経験しており、健康的なカップルでも30〜40%という高い頻度で起っているといわれています。
妊娠検査薬を使用していなければ、普段の生理が遅れたのかなと気づかない場合も多いみたいです。

妊娠検査薬は、尿の中に一定以上の濃度でhcgが含まれるかどうかを調べることで陽性・陰性を判定します。

現在の妊娠検査薬は感度が高く、少量のhcgでも判定できるため、早いタイミングで妊娠を知るケースが増えています。

また不妊治療では、例えば胚移植の後、早期に血液中のhcgを確認するので不妊治療を受ける人の増加とともに、それまでは意識されていなかった超初期の妊娠(化学妊娠)が認識される機会も増えたと考えれられています。

早くに妊娠を知る機会が増えたからこそ、化学流産が認知されるようになってきたんですね。

妊娠を待ち望んでいた女性からすると、多く起こることだと分かっていても辛いですよね。
なぜ起こってしまうのか、原因や症状はどうなのかみていきたいと思います。

化学流産の原因

一旦着床したにもかかわらずなぜ成長できなくなる場合があるのか、その原因はまだよく分かっていませんが、受精卵の染色体異常が影響していることが多いといわれています。
受精卵の40〜70%は成長途中に失われており、その多くは着床早期までになくなっているそうです。

化学流産の症状

化学流産の症状では、普段の生理と同じ程度、あるいはそれより多い出血がみられます。
普段の生理と同じことが多いため、症状から化学流産に気づくことはほとんどないといわれています。
「生理が遅れたのかな?」と思ったらもしかしたら化学流産だったってこともあるかもしれません。

化学流産が起こる時期

化学流産では、一旦着床した受精卵が「妊娠検査薬で陽性が出た後〜超音波検査で胎嚢を確認する前」までの間にそれ以上育つことができなくなってしまいます。
つまり着床(妊娠3週頃)〜超音波検査で胎嚢を確認(妊娠4、5週頃以降)するまで」の間に起こるということになります。

ただし、妊娠検査薬の使用時期や超音波検査で胎嚢を確認してもらう時期によって、化学流産していたことに気づく時期は多少ズレます。

化学流産したらどうしたらいいの?

妊娠検査薬で陽性判定となって産婦人科を受診した場合、その時点で超音波検査で胎嚢が確認できなければもう少し様子を見ることになります。
受診する時期が早すぎて、妊娠していても胎嚢が確認できないこともあるからです。

通常は、1週間後に再受診することになりそこでも胎嚢が認められなければ、化学流産の可能性が高くなります。

ただ、その場合は受精卵がなくなってしまっていることが多いので、一般的な流産後の処置である掻爬手術(赤ちゃんを出す手術)などを行うことはありません。
また、hcgによる妊娠判定は陰性になります。

ただし、hcgによる陽性が出続けているにもかかわらず、子宮内膜に胎嚢がない場合は、子宮外妊娠(異所性妊娠)も考えられるので、血液検査によるhcg値の観察や、超音波検査を再度行うことになります。

次の妊娠への影響はあるの?

一度化学流産をしたからといって、次もまた化学流産するとは限りません。
着床できなかったり、着床しても胎嚢を作るまで育たなかったりする原因の多くは受精卵に有ります。


元々受精卵の約30%、受精3日後には約50%に染色体異常があると言われています。
染色体異常がある受精卵は、着床できたとしても出産にいたることは非常に少なく、成長途中で流産や子宮内で亡くなってしまうことがほとんどです。

なので、次の妊娠への影響はないみたいです。

化学流産後の妊活を再開するタイミングは?

化学流産の後、生理が1回くれば妊娠ができる体に戻っていると考えられるので、すぐに妊活を初めても問題ないです。

「流産後は妊娠しにくい」という話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、科学的にみて「流産から次の妊娠までの期間の長さ」と「次回妊娠の成功率」には関連性がないとされています。
なので、流産後に妊娠を希望する場合は長期間、避妊をする必要はないでしょう。

妊活は夫婦がともに進めるものです。お互いに話し合って、再開は女性の心身の回復をみながら、無理のない範囲にしましょう。
流産した女性の80%が、流産後5年以内に出産しているという報告もあります。

化学流産を繰り返してしまうのはなぜ?

化学流産を繰り返していると、「もしかして私、不育症?」と不安に思う女性もいるかもしれません。

化学流産と不育症の関係はどうなっているのでしょうか。

一般的に、臨床的流産(胎嚢が確認された後に起こる流産)を2回以上繰り返すことを反復流産、3回以上繰り返すことを習慣流産と言います。(死産や早期新生児死亡は含めません)
不育症はこうした反復・習慣流産があったり、生後1週間以内に死亡する早期新生児死亡が続いたりした場合、診断されます。


繰り返す化学流産も不育症に含まれるのではないかという議論がないわけではありませんが、今のところ同じメカニズムが働いているのかどうか分かっていません。

化学流産があってもなくても妊活を続けているにもかかわらず1年以上たっても妊娠が認められない場合は、不妊症や不育症(反復・習慣流産)の可能性が有ります。







化学流産は受精卵が原因と分かっていても、悲しいですよね。
生理が遅れたな、いつもよりちょっと量が多いななど私自身、思い返すと心当たりが何度かあります。

赤ちゃんを待っていた方からすると、なかなか「次!がんばろう!」とは思えない方もいると思いますが、パートナーと話し合って自分にあったタイミングで進めてくださいね。

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